ジェットエアー・コンポスターの仕組み
模式図
※赤枠外はオプション品
自動運転工程
- 投入された脱水汚泥は、発酵槽底部から断続的に噴射する圧力空気により切り返し、発酵槽内で発酵物と混合される。
- 一次発酵槽で、断続的な切り返しと、連続的に加温空気を送風することにより、好気性発酵されながら二次発酵槽へ移動する。
- 二次発酵槽でさらに断続的な切り返しと連続的な加温空気を送風することで好気性発酵と乾燥が進行する。
- コンポストは、噴射により移動し、自動的にコンポスト貯槽に貯留される。
良質なコンポストの製造
- 貯蔵中に臭気が発生しない。
- 施肥後臭気が発生しない。
- 施肥後、根腐れを起こさない。(乾物当たりのBODが30mg/L以下)
上記3つを満たしたものを完熟したコンポストと位置づけました。
ジェットエアー・コンポスターでは、一次発酵槽と二次発酵槽を設け、それぞれに役割分担をさせることで成熟した良質なコンポストの製造を可能としました。
圧縮空気による切返し
ジェットエアー・コンポスターはコンプレッサーで圧力タンクに圧縮空気をため、発酵槽の底部から一気に噴射することで、切返しを行います。このとき、発酵物は膨張と流動により噴射空気の上昇によって混合され、一部の発酵物が隣接室に移動を起こします。
各室順番に切返し・混合と移送・返送を同時に行うことで、脱水汚泥は発酵・乾燥されながら、一時発酵槽より二次発酵槽を経てコンポスト貯槽に移動します。
切返しの際の移動は、後室への移動を移送と呼び、前室への移動を返送と呼びます。
この位相と返送により発酵物は万遍なく混合され、ゆっくりと熟成発酵されることで良質なコンポストが出来上がるのです。
また、噴射空気を使用して切返しを行うため、機械式の切返しに比べると堆肥積み上げ高さを高くできるため、発酵槽の設置面積を小さくでき、省スペース化を実現しています。
臭気対策・発酵温度維持のための密閉構造
ジェットエアー・コンポスターの発酵槽は完全密閉構造となっており、発酵槽内からの排気を脱臭装置に確実に捕捉できます。
また、開放型の発酵施設では外気温が低い冬季に、発酵温度が下がる傾向がありますが、密閉型のため外気からの影響が少なく、保温性にも優れ、送風管内に設置したヒーターにより、加温空気を発酵槽内に送風しているため、内部温度を発酵に適した温度に維持することが可能です。
・密閉下での問題点
汚泥を堆肥化するためには、堆肥化装置の中に汚泥を連続又は間欠的に混合する機械が必要です。
また、臭気対策と適正な発酵温度を維持するため装置は密閉構造にする必要があります。
ところが、駆動する機械にとって、密閉された堆肥化装置の内部の環境は最悪の条件です。詳しくいうと、汚泥中の有機物の分解に伴ってアンモニアガスが発生します。アンモニアはアルカリ性ですから問題はないのですが、密閉された槽内の結露水に吸収されると微生物により酸化され硝酸に変化します。硝酸は金属を腐食させる強酸のひとつです。それに高い温度と高い湿度と摩耗が加わって、駆動機械は腐食により大幅に寿命を縮めることとなります。
しかし、ジェットエアー・コンポスターは駆動機械による撹拌ではないため、内部腐食の心配もなくご利用いただけます。
ジェットエアー・コンポスター1号機が平成15年より運転を開始しておりますが、特別な腐食防止対策や腐食による修繕を行うことなく稼働しています。
加温の方法
個別送風管に挿入したヒーターで、発酵室内への送風を加温。
側部加温室(仕切り壁兼用)内に挿入したヒータで発酵槽を加温しています。
※各ヒータは温度センサーにより適正温度に制御されます。
◯運転の自動化
週1〜2回での巡回点検で運転できるように開発を行いました。
全行程においての作業は下記の3点です。
- 適性脱水汚泥量の投入と含水率の調整
- 発酵槽内の含水率測定、風量・温度の調整
- コンポストの袋詰め(オプションで自動袋詰め装置もあります。)
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