製品コンポスト利用例
佐賀県白石町福富下区地区水処理センターでの利用例
製品コンポスト(ジェットエアー・コンポスター)から排出された余剰汚泥が「アトムコンポ」として商品化され、「佐賀県産廃物リサイクル製品」に認定されました。
アトムコンポ売れ行き好調
ジェットエアー・コンポスターを用いて福富・下区地区水処理センターの余剰汚泥はコンポスト化され、 アトムコンポの名称で町の農産物直売所で販売されています。
肥料登録を受けたアトムコンポは安全な肥料として、稲作、畑作、家庭菜園用として地元で引き取られるとともに、「佐賀県廃棄物リサイクル製品」にも認定され、公共事業での優先的な使用も期待されています。
なお、このような資源循環の取り組みは地元紙ににも大きく取り上げられ、県内外からの反響を呼んでいます。
下水から農地還元【新聞記事抜粋】
汚泥発酵肥料(福富)
つねに完売状態 大規模推進へ
汚水処理の過程で発生する汚泥を有効活用した「汚泥発酵肥料」の取り組みが杵島郡福富町で進められている。「アトムコンポ」と名づけられたたい肥は昨年、県の産廃物リサイクル製品にも認定され、町内の産業直販所で販売され多くの町民が利用する。
同町では平成12年、下区地区(44ヘクタール 処理人口1850人)を対象とした農業事業泥排水事業が完成。
平成16年2月には住ノ江地区(30.7ヘクタール、同1490人)を対象とした設置の一部も完成し、平成16年度中の運用開始を予定している。
汚泥のたい肥化は、循環型社会を目指す同町が、汚泥処理のコスト削減の狙いもあり、下区地区の排水事業運用にあわせ計画した。
現在、下区地区処理センター横に民間企業が建設した実験棟で汚泥のたい肥化処理が行われている。
処理方法はジェットエアーコンポスターと呼ばれ、設備に送り込まれた脱水汚泥は底部から断続的に噴射された圧力空気でかくはんされ、次工程へ送り込まれる。熱量の不足分はヒーターでまかなわれ、40日間かけて発酵肥料に生まれ変わる。
昨年実績で314立方メートルの汚泥を処理し5615キロの肥料がつくられた。出来上がった「アトムコンポ」は砂のようにさらさらしており、ほとんど無臭。現在は町内の産物直売所で5キロ80円で販売されている。「農産物がよく育つ」と評判はよく、つねに完売状態とか。町内では今後の下水処理拡大に伴い、住ノ江地区処理センター横に天日型乾燥方式による資源循環施設を併設。もっと大規模な汚泥たい肥化事業を進める。年間6116トンの処理能力を見込み、近隣町の分も視野に入れた「農地還元」としての事業を目指す。
(佐賀新聞 平成16年6月24日付 環境特集記事より)
アトムコンポによる栽培試験
コンポスト(アトムコンポ)の肥料効果
生活排水処理施設(福富下区地区水処理センター)の余剰汚泥を発酵乾燥したコンポスト(アトムコンポ)の肥料効果を試験した結果です。
写真は種まきして約1ヵ月後の状態です。
左側のアトムコンポ使用区は右側の無使用区に比べて顕著な生育を示しています。
試験場所 | 〒849-0903 佐賀市久呆泉町大字下和泉1841 佐賀大学農学部附属 資源循環フィールド科学教育研究センター TEL(0952)98-2245 FAX(0952)98-2230 |
栽培期間 | 平成14年2月末〜4月1日 |
培土 | 右側プランター:フィールド内肥沃土(牛舎の敷き藁などの堆肥を含む) 左側プランター:フィールド内肥沃土にアトムコンポを1cm厚みで被覆栽培経過 1) 両プランターに肥沃土を入れ、ほうれん草の種をまき、寒冷袋で覆った。 2) 発芽後、寒冷袋を取り除き、左側プランターにアトムコンポを1cm厚みで被覆した。 3) 間引きしながら、水遣りはしないで天候任せとした。 4) 写真は種まきをして約1ヵ月後の状況。 |
(平成14年度のデータより)